謹んで新春のお慶びを申し上げます。葛西屋呉服店 七代目店主の中山晃一です。

旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。松戸の地で天保10年(1839年)に創業して以来、当店は180年以上にわたり皆様のハレの日をお手伝いしてまいりました。新しい年を迎え、皆様が健やかに、そして彩り豊かな毎日を過ごされますよう心よりお祈り申し上げます。
■ 新年の誓いに。
「慣れる」ことから始まる美しさ 新しい年の始まりに、「今年はもっと着物を楽しみたい」と目標を立てられた方も多いのではないでしょうか。
着物において大切なのは、何よりも「慣れる」ことです。ある映画監督が、着物の所作に慣れるために撮影中ずっと浴衣を着て過ごすよう俳優に指示したという逸話があります。実際に着て生活することで初めて、袖を汚さないための自然な動作や、自分に合った美しい着丈に気付くことができるのです。
週に一度でも着物を着る日を作ることで、着姿は驚くほど「板について」きます。当店の着付け教室やアフターケアサービスも、皆様が日常の中で着物を「着こなす」ための一助となれば幸いです。
■ 新春を彩る、葛西屋おすすめの帯 年始のご挨拶や初詣など、新春の装いにはその場にふさわしい格調と美しさを添えたいものです。
・格式高い袋帯 現代の礼装において主流である袋帯は、金銀糸をふんだんに用いた吉祥文様や能装束写しなど、格調高い柄ゆきが新年にふさわしい重厚感を演出します。
・伝統の唐織と佐賀錦 刺繍のような豪華な浮き織が特徴の唐織や、経糸に金銀の箔紙を用いる日本独自の佐賀錦は、最高級の訪問着や留袖に格別の気品を添えてくれます。
・軽やかな引箔(ひきばく) 金箔を緯糸に織り込んだ引箔の帯は、光沢が美しいだけでなく、しなやかで締めやすいという実用性も兼ね備えており、初詣などのお出かけに重宝します。
■ 新春初売りのご案内 さて、葛西屋呉服店では、新年の幕開けを祝して「新春初売り」を開催いたします。
180余年の歴史の中で、私共が常に大切にしてきたのは「用の美」――すなわち、生活に根差した美しさです。初売りでは、その精神が息づくこだわりの逸品を多数取り揃えております。
・振袖コレクション 二十歳のお祝いに向けた新作振袖や、ご購入・レンタルそれぞれの豪華特典をご用意しております。
・ニューフォーマルのご提案 現代のライフスタイルに合わせ、堅苦しすぎず上品に着こなせる「さっぱり系訪問着」や「紋織の色無地」など、今の時代に寄り添うフォーマルスタイルもご提案いたします。
松戸の「蔵の記憶」が息づく店内で、皆様にお会いできるのを楽しみにしております。 本年も変わらぬお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
(コラム:着物の上達について) 着物と向き合うことは、楽器の演奏に似ています。どんなに素晴らしい名器を手に入れても、時々触れて奏でなければ、その真の美しさを引き出すことはできません。毎日少しずつ鳴らす(着る)ことで、着物と体が調和し、あなただけの美しい音色(着姿)が響き渡るようになるのです。
葛西屋 七代目 店主 中山晃一

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