かさいやブログ

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葛西屋七代目当主が定期的にお送りする徒然日記

2026.02.06

春の訪れを纏う。「梅・桃・桜」季節を先取りする帯留めと小物の合わせ方

松戸の街も、少しずつですが日脚が伸び、春の気配を感じられるようになってまいりました。

皆様、いかがお過ごしでしょうか。葛西屋呉服店の店主でございます。

着物には「季節を先取りする」という、とても素敵な美学があります。

本番の季節が来る少し前、その草花が満開になるのを待つかのように身につけるのが「粋」であり、着物を着る人の密やかな楽しみでもあります。

本日は、春を告げる三つの花「梅・桃・桜」をテーマに、今の時期だからこそ楽しめる帯留めと小物の合わせ方についてお話しさせていただきます。

1. 春告草(梅):凛とした気品を「冠組(ゆるぎぐみ)」で引き締める

まだ寒さの残る2月。百花に先駆けて咲く梅は、強さと気品の象徴です。

梅のモチーフを帯留めに取り入れる際は、濃い紫や漆黒、あるいは深い抹茶色といった、背景となる帯の色を少し落ち着かせてみてください。そうすることで、梅の帯留めの紅白や銀の輝きが、雪解けの中に咲く花のように際立ちます。

【合わせる帯締め】

梅の凛とした姿には、シンプルで格調高い「冠組(ゆるぎぐみ)」の帯締めがよく合います。

伸縮性があり締めやすく、中央に溝があるのが特徴です。この一本の筋が、コーディネート全体に「芯」を通し、冬から春へと向かう背筋の伸びるような心持ちを表現してくれます。

2. 桃の節句(桃):ふんわりとした優しさを「縮緬(ちりめん)」の帯揚げで

3月に入れば、松戸の街も雛めいた空気に包まれます。桃の花は、愛らしさと邪気払いの意味を持つ、女性にとって特別な花です。

桃の帯留めを使うなら、全体をパステルカラーやペールトーンでまとめるのがおすすめです。例えば、生成りや薄卵色の帯に、珊瑚や桃色の帯留めを乗せてみてはいかがでしょうか。

【小物との相性】

この時期は、「縮緬(ちりめん)」素材の帯揚げが活躍します。

シボのあるふっくらとした質感が、桃の花の柔らかさを引き立てます。色は若草色や鶸(ひわ)色を選ぶと、ピンク色との対比で「春の野原」のような幸福感を演出できます。

3. 桜:満開を避けて楽しむ「三分紐」の色遊び

そして、日本人が愛してやまない桜。

着物のルールとして「満開の桜の下で、桜そのものの写実的な柄を着るのは野暮(自然の美しさと張り合わない)」と言われることがありますが、帯留めのような小さな小物であれば、満開の時期でも洒落っ気として楽しめます。

桜の帯留めは、白蝶貝やシルバー細工など、光沢のある素材が春の日差しに映えます。

【帯締めの選び方】

帯留めを通すための「三分紐(さんぶひも)」の色合わせが鍵です。 桜のピンクに同化させず、あえて「空色(スカイブルー)」や「藤色」を合わせてみてください。青空の下に咲く桜や、夕暮れ時の桜を連想させ、小さな帯周りに情景が浮かび上がります。また、金糸や銀糸が織り込まれた紐を選ぶと、春霞のような上品な輝きを添えることができます。

季節を遊ぶ、それが着物の醍醐味

帯留めや帯締め、帯揚げといった小物は、着物や帯を新調するよりも気軽に、そして劇的に季節感を変えることができる魔法のアイテムです。

「今日は梅の帯留めだから、帯締めはあえて枝の色の茶色にしようか」

「桜の蕾に合わせて、帯揚げは少し濃いピンクにしよう」

そんな風に、鏡の前で物語を紡ぐ時間は、何にも代えがたい豊かなひとときです。

葛西屋呉服店では、春の訪れを感じさせる小物を多数取り揃えております。

お手持ちの着物や帯をお持ちいただければ、最適な一本をご提案させていただきます。松戸にお越しの際は、ぜひふらりとお立ち寄りください。

店主一同、春の装いのお手伝いができることを楽しみにしております。

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葛西屋呉服店 松戸市本町8-4

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