明治〜昭和初期の商品引き出しと、コリヤナギのケース
こんにちは、葛西屋呉服店です。
いつもご愛顧いただき誠にありがとうございます。
本日は、当店の歴史と文化を感じていただける新しい展示についてご紹介いたします。
葛西屋の蔵に眠っていた“記憶の道具”たち
葛西屋は明治初期の創業以来、多くのお客様に支えられてまいりました。
このたび、店内にて展示を開始したのは、かつて当店の蔵で実際に使われていた木製の引き出しとコリヤナギ(行李柳)のケースです。
これらの引き出しは、明治から昭和初期にかけて、反物や和装小物の整理・管理に使用されていたもの。
それぞれに番号が振られており、職人たちが効率よく商品を取り出すための工夫が施されていました。
番号札の付いた引き出しから感じる「働く道具」の美しさ
長年使われてきた跡がしっかりと刻まれており、木の温もりと経年の味わいが感じられます。
今の時代では見ることの少なくなった「手仕事の道具」。
それらを通じて、私たちは呉服屋としての原点に立ち返るような気持ちになります。
コリヤナギのケースも登場
また、右端に展示しているのは、昔ながらのコリヤナギ(行李柳)で編まれた収納ケース。
軽くて丈夫なこの素材は、かつての衣装運搬や保管に欠かせない存在でした。
長い年月を経ても形を保ち、今でもしっかりとした風合いを感じることができます。
リニューアル後も、老舗らしさを大切に
一昨年、店内をリニューアルいたしましたが、今回の展示は「老舗らしさを少しでも感じていただきたい」という想いから始まりました。
現代的で明るい空間のなかにも、葛西屋の歩んできた時代や文化が息づいています。
ご来店の際は、ぜひ展示もご覧いただき、葛西屋の“時間の重なり”を感じていただければ幸いです。