こんにちは、松戸の葛西屋呉服店です。
本日は、お客様からご相談いただいた「着物の染め替え」の素敵なエピソードをご紹介いたします。
似合う色へ、私らしい色へ
今回ご相談をくださったのは、ご親戚から美しいお着物を譲り受けたお客様。
「せっかくの頂き物だけれど、今の私にはこの薄紫が少し似合わない気がして……」というお悩みでした。
そこで、今のライフスタイルや好みに合わせて「色を染め替えて、長く着られる一枚にしよう」というリフォーム計画がスタートしました。
「茶色」から「チャコールグレー」へのこだわり
当初、お客様のご希望は「茶色」でした。
しかし、職人さんいわく「茶色は絶妙な加減で表情が変わるため、理想の色を出すのが非常に難しい」という奥深い色。
そこで、染め屋さんとお客様、そして私共で何度もやり取りを重ねました。
その対話の中で、最終的に辿り着いた答えは、都会的で洗練された「チャコールグレー」でした。
イメージを伝える「一枚の端切れ」

言葉だけで色のニュアンスを伝えるのは、プロでも難しいものです。
今回は、イメージをより正確に共有するため、葛西屋の社長が愛用しているお召(おめし)の端切れをサンプルとして添え、「この色に近づけてほしい」と職人さんに託しました。
こうした「現物の見本」があることで、職人さんも迷いなく、お客様の理想を形にすることができたのです。
「着物丸ごと染め」の挑戦
通常、染め替えは一度解いて「洗い張り」をしてから行いますが、今回はコストや工程を考え、解かずにそのまま染める「丸ごと染め」を選択しました。
「丸ごと染め」は、八掛(裏地)まで同じ色に綺麗に染まるメリットがありますが、一方で生地にスレが出る可能性もある、非常に技術を要する作業です。
職人さんとの丁寧な連携により、スレも抑えられ、裏表が美しく統一された見事な仕上がりとなりました。
お客様だけの「新しい一枚」の完成
出来上がったのは、凛とした気品漂うチャコールグレーのお着物。
お客様からも「お願いして良かった!」と大変お喜びいただきました。
【今回のリフォームのポイント】
• 端切れでイメージを共有: 具体的なサンプルがあると、理想の色への近道になります。
• 納得いくまで対話を: 染め屋さんと密に連絡を取り、後悔のない色選びをサポート。
• 八掛も一体に: 丸ごと染めることで、今の自分にぴったりのトータルコーディネートに。
最近の記事
- 京都の風を、松戸へ。春夏の「逸品」を探す仕入れ旅のご報告
- 春の訪れを纏う。「梅・桃・桜」季節を先取りする帯留めと小物の合わせ方
- 着付け教室へのお誘い
- 卒業式を彩る母娘の装い|最新・卒業袴トレンドと、お母様の訪問着・付け下げ選びのポイント
- 令和8年のフォーマルは「もっと柔軟に」。月刊アレコレ最新号が届きました!
- 寒い日のお出かけも安心。着物のための「防寒コートとインナー」選び
- 成人式直前!振袖の「美しい立ち振る舞い」と「着崩れ防止」3つのコツ
- 【謹賀新年】店主より新年のご挨拶と、新春初売りのご案内
- 新年を晴れやかに迎えるために
- 【振袖トレンドを紐解く】老舗呉服店が教える「濃い色」振袖を自分らしく着こなす秘訣
