かさいやブログ

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葛西屋七代目当主が定期的にお送りする徒然日記

2019.01.21

着物のお手入れ「雨染み抜き」

お手入れのことを色々ご紹介しておりますが問題です!

「雨染み」は「生き洗い」で落ちるでしょうか。それとも別の加工になるでしょうか。

答えは、雨は油性の汚れではないので「生き洗いでは落ちない」です。

更に言うと純粋な水分100%ではないので、汗抜きのように水シミ抜きと溶剤でのお手入れが必要になって参ります。

もしお天気の悪い日にお出掛けされた場合には雨染みがついている可能性があるので、保管の際には注意が必要です。

やっかいなことに汗染み同様時間が経つと目に見えない隠れたシミになり、時間が経って黄変として現れるケースもとても多いので、お手入れの際に「雨に濡れてしまった可能性がある」と一声付け加えていただけると専門家もより注意してみられるので安心です。


雨染みの出やすい箇所としては、雨は上から降ってくるものなので「肩山」と「袖山」がメインです。

しかし雨染みの中でも更にやっかいなものがあり、その汚れは裾やお尻の辺り(後ろ身頃)にも広がります。

「雨染み」より一層やっかいなのが、「泥シミ」「泥はね」です。

こちらは砂(泥)が一緒にシミになって見えるので、見つけるのは簡単です。

しかし逆に言うと、そのままだと着用中も着用後もとても目立ちます。

泥、砂に関しては粒子が細かいため、落とすのがとても大変です。


溶剤を付けて細かくこするだけではなかなか綺麗になってくれません。

泥ハネの場合、そのはねた箇所1カ所1カ所に溶剤を付けて、つまむようにして落としていく、かなり細かく根気のいる作業が必要です。

そのため落とすのに時間も手間もかかりますので、加工としては別途料金がかかります。

雨染みと合わせても6000、8000円からあまりに全体だと15000円ほどかかってしまうこともございます。

悪天候の際には雨コートを着用されたり、撥水加工済みの着物をお召しになるなど、是非事前の対策をお取りくださいませ。


今回は「雨染み抜き」「泥ハネ落とし」をご紹介いたしました。

お手入れの詳細をまたご紹介いたしますので、楽しみにしていただけますと幸いです♪



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